山と温泉の旅 百尋の滝から川乗山を経て棒ノ折山
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山行データ
歩行距離 20.8km
標高 1363m
最大標高差 1130m
 行動時間
日帰り 9時間45分
 
2018年10月7日(日)
川乗橋バス停
4.8km 6:45
8:10
百尋の滝
3.0km 8:15
9:40
川乗山
1.9km 10:00

踊平
0.9km 10:45

日向沢の峰
3.5km 11:10
12:55
長尾ノ丸
1.4km 13:00
13:35
槙ノ尾山
0.9km 13:40
14:00
棒ノ折山
4.4km 14:25
16:30
さわらびの湯
 

 棒ノ折山は手軽なハイキングコースとして知られているが、その山頂は東京と埼玉を分ける長い尾根の上にある。西は雲取山の長沢背稜から始まり、東は飯能か青梅のあたりで関東平野に没する。
 長沢背稜といえば訪れる人も少ない奥多摩深部の渋いコースで、一度は歩いてみたいと思っているのだが、棒ノ折まで通しで歩くのはあまりに行程が長い。長沢背稜はまたの機会として、棒ノ折から西の尾根を辿るルートを探すことにした。距離的には川乗山付近の日向沢ノ峰あたりから東へ下るのが手ごろだろう。

 松浦隆康氏の「バリエーションルートを楽しむ」によると、日向沢ノ峰と蕎麦粒山の間の離岩尾根から棒ノ折に向けるルートが紹介されている。奥多摩側の川乗橋バス停から長い林道歩きになるが、林道途中の百尋の滝(注)は一度行ってみたかったので手ごろな感じである。棒ノ折から名栗湖に下ればさわらびの湯という手ごろな温泉もある。


 松浦氏のコースタイムでは6時間40分。奥多摩から始発のバスに乗れば充分な余裕があるはずだったのだが、林道から百尋の滝への山道に入ってしまったところ、百尋の滝から林道には戻れないことが分かった。そのまま川乗山経由で日向沢の峰に抜けたが、これだとコースタイム9時間30分になる。さわらびの湯の最終バスは5時55分なので、温泉でのんびりするには余裕のない行程になってしまった。

 日向沢の峰から棒ノ折山までの都県界尾根は全体としては西から東への下りだが、厳しい急下降と登り返しの厳しいコースであった。さらに、先週の強力な台風の影響で踏み跡に枝葉が積み重なり、ルート取りが分かりにくい場所が多々あった。こうしたときはシルバーコンパスで支尾根に引き込まれないように注意した方が良いだろう。

(注)松浦氏の離岩尾根を目指す場合は、林道途中から百尋の滝への山道に踏み込まず、そのまま林道を進むようです。百尋の滝へ向かうとコースタイムが大幅に増えてしまうので注意しましょう。

久しぶりの奥多摩駅。始発を乗り継いで6時25分に到着すると、東日原行きのバスが6時27分にすぐ発車する。
川乗橋でバスを降りると、目の前に百尋の滝への林道入口がある。車は通行止めになっている。
川乗谷の渓谷に沿って長い林道が続くが雰囲気は良い。台風の影響で所々に枝葉が散乱し、倒木が道をふさいでいる。
林道の途中で百尋の滝への表示がある山道に踏み込んだ。しかしこれが間違いで、大幅にコースタイムが増えることになってしまった。松浦氏の辿った離岩尾根へは、そのまま林道を進まなければいけなかったようだ。林道からでも百尋の滝が遠望できるらしい。
道を誤ったとも知らず、渓谷沿いに気持ちよく登っていく。
途中で川乗谷の右岸に渡り、少し高巻くあたりまで来れば百尋の滝は近い。
この辺りは滑落注意と表示がある。
目前に百尋の滝が現れた。
滝つぼの直下まで進めるようだ。
滝つぼから見上げるとなかなかの迫力だ。
ここだけでも来た甲斐があったと思える気持ちの良い場所である。

写真だけでは惜しいので、下手な動画も撮影した。   
林道には戻れないことを悟ったので、そのまま川乗山へと進むことにした。
しかし、台風の影響か、小枝や落ち葉に覆われて踏み跡が分からない。このまま谷筋を進むと行き詰まってしまいそうだ。

道がわからなくなったときは、谷ではなく尾根を歩くのが鉄則だ。谷筋を避けて左の尾根に取り付いてみると、すぐに踏み跡が見つかった。
川乗山への分岐。せっかくなので少し寄り道していくことにした。
十年ぶりの川乗山は快晴だった。
西に開けた展望。左寄り一番手前のピークは奥多摩三大急登の鷹ノ巣山。ここを登った時はなかなかきつかった。
中央一番奥に見えるのは雲取山だろう。あそこから棒ノ折に続く長大な都県境尾根へとこれから向かう。
川乗山を後にして、日向沢の峰へと向かう。
これまでの谷沿いの道と一転し、明るい山道が続く。
伸びやかな気持ちの良い景色が続いている。
踊平に到着。ここから百軒茶屋へ下るルートは崩落で通行止めと書いてある。(2018年10月現在)

なんの変哲もない峠だが、踊平(おどりだいら)とは由来が気になる名前である。
あそこまでひと登りすれば日向沢の峰だろうか。
日向沢の峰に到着。
ここから都県境尾根が始まる。
南側の展望。小さく富士山が見える。
中央の大きなピークは奥多摩の御前山だろう。
川乗山に遠回りしてしまったので、のんびりしている余裕はない。そのまま都県境尾根に進んだ。
ただいま11時過ぎ。棒ノ折に着くのは2時ごろ、さわらびの湯に着くのは4時半ごろになりそうだ。
温泉で休んでから最終バスで帰るには、コースタイムどおりに歩かなければならない。
なかなか良い尾根筋なのだが、やはり台風の影響か、枝葉が積もって踏み跡がわからない。
棒ノ折までほぼ一直線なので、シルバーコンパスに方向をセットして支尾根に釣られないように進んでいく。
結構な急斜面の下りが続く。
そろそろ疲れた膝に堪える行程が続く。
送電線の鉄塔で一休み。
まだ先は長い。
日向沢の峰から1時間半ほど歩くと、ロープが張られた登りに差し掛かる。
もうすぐ長尾丸のピークがあるはずだ。
長尾丸に到着。
運動不足の身には少々厳しいコースである。
都県境尾根をさらに進む。
次のピーク、牧ノ尾山に到着。
ここまで来れば棒ノ折まであと30分。
水をひと口飲んですぐに出発。
長らく展望のない杉林を抜け、棒ノ折山の展望が広がった。出発してからここまで7時間あまり。運動不足の身には厳しいコースである。
棒ノ折からの展望はいつ見ても良い。
秩父のパノラマを眺めながら遅い昼食をとる。
白谷沢は崩落で通行止めだったので、滝ノ平ルートで降りることにした。
登山口から少し登り返してさわらびの湯へ。


 
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