山と温泉の旅 高尾山旧登山口から城山東尾根
山行データ
歩行距離 10.0km
標高 650m
最大標高差 470m
 行動時間
日帰り 3時間50分
 
2018年8月13日(月)
高尾山口
0.6km 10:15

旧登山口
1.2km 10:25

金毘羅台
2.6km 11:00
12:00
高尾山
1.8km 12:05
12:30
一丁平
1.0km 12:50

城山
2.8km 13:10
14:05
日陰バス停
 

 運動不足を少しづ解消しようと足慣らしに出かけることにした。
 「観測史上初」を連発する猛暑の夏。涼しい山に行きたいところだが、お盆真っ最中で各地大渋滞である。電車で気軽に行かれるところを探すうち出発が遅くなり、暑いのを覚悟でいつもの高尾山に行くことにした。
 人込みを避けて、今回は高尾の東端にある旧登山口から登ることにした。そこから陣馬山までのミニ縦走が目標コースである。

 しかし今日は南海上から暖かい湿った空気が入り込み、上空にはこの季節にしては冷たい空気が居座っている。大気が不安定で大荒れ予想の一日。雷が怖いので天気が崩れそうならすぐにエスケープする予定である。案の定、一丁平の先で遠雷が聞こえてきたので城山から東尾根を下ることになった。結果的には高尾山にしては渋いコースどりになった。

 雷の気配を感じてすぐにエスケープしたので、山中で雷にあうことは回避できたが、日陰バス停でバスを待つうちにゲリラ豪雨に見舞われ、強烈な雷が近くにたくさん落ちて少々恐ろしい思いをした。さて、この体験からどんな教訓を得るべきだろうか?今回は雷対策について考える。


高尾山口のプラットホームから真正面に見える氷川神社。子供のころから見慣れた神社だが、まだ一度も立ち寄ったことがない。

ちょっと立ち寄ってみたが、境内は駐車場と化していた。
氷川神社から旧登山口に向けて、のどかな田舎道を歩く。初めて踏み入れたが、高尾周辺にもこんなのどかな風景が残っていたとは。
こんなところに小ぎれいなカフェが。
甲州街道に合流して少し歩道を歩く。
「ろくざん亭」と看板が出た落合交差点で左に曲がる。
高尾山ちか道という石碑がある。
すぐに鬱蒼とした山道に入る。
予想通りすれ違う人もほとんどいない静かな山道だ。
ひと登りで金毘羅台に到着。
子供のころから何度も来ている高尾山だが、ここに来たのは初めてである。
一号路に合流。
山頂に到着。
暑い。
さらに奥高尾へと進んでいく。
ここはもみじの名所というが、まだ見たことはない。
山頂から20分ほどで一丁平に着いた。
大汗かいたので一休み。
冷たい飲み物が欲しいが、テルモスにはお湯を入れてきてしまった。仕方が無いので熱いコーヒーを飲んでさらに大汗をかく。

すると、西の空からかすかな遠雷が聞こえてきた。まだ上空は快晴だが大気不安定な今日は不味い。一気に大荒れになる可能性が高いので、城山東尾根から降りることにした。
その前に一丁平の展望台に寄っていく。
日差しは熱く、空はまだ雨の気配はないが、次第に雷の音が近づいてくる。
緊急時なので城山の巻道へと進む。
あそこから右へ林道が続いている。
並行して城山東尾根の登山道がある。
雷が来たら林道より杉林の中の方が安全だろうか。
林道から登山道へと踏み込む。
このルートは整備されたハイキングコースではないが、踏跡ははっきりしている。
途中で小ピークを越えて日陰バス停へと下る。
雷が徐々に近づいているので、足早に先へと進む。
取りつきに着いたが、少々水かさが増している。
手ごろな木の棒を杖にしてなんとか濡れずに渡った。
ここから林道を少し行けばバス停に出る。
空は一気に怪し気な雲で覆われてきた。
日陰バス停に到着。
10分ほどでバスが来る。
しかし数分待ったところで大粒の雨が降ってきた。
たちまち激しい雨。強い日差しに焼かれた車道から激しく水蒸気があがる。
雷鳴もいよいよ激しくなってきた。
ようやくやってきたバスに乗り込もうとすると、すぐ近くに落雷したようだ。あまりの轟音に全員が飛び上がってしまう。危ないところであった。
バスが高尾駅に着いても、相変わらずの豪雨に激しい雷。バスから降りるのをためらうほど雷が何発も落ちてくる。
バス停から駅舎まで走る。
あっという間にずぶ濡れに。
高尾駅北口。
まだ午後2時だというのに夕暮れのような薄暗さ。

以前世話になったガイドさんから、山歩きは漠然と歩かないで、よく考えることが重要だと教えられた。
さて今回の教訓は。

撤退の決断は早めだったと思う。だがバスに逃げ込んだのはやや手遅れ気味だった。
森林限界の上だと、いかに早く森林限界の下に逃げ込むかということしか考えていなかったが、林の中ではどうすればよいのか?
バス停で雷雨に捕まってしまったが、目の前に電柱があったので少し安心だった。天辺から45度の範囲内が安全圏というのは何となく覚えていたが、電柱に近づきすぎてはいけない。どれくらい離れればよいのかは覚えていなかった。
また電柱は車道の対面にあり、バス停の後ろは石垣だった。この位置は斜面からの雷撃が危ないのではないかと思ったがどうすればよいのかわからなかった。

調べてみると、
 ・高さが5m〜30mの立木や電柱の「保護範囲」は天辺から45度、電柱からは4m以上離れた領域。立木の場合は枝先から4m以上離れる。
 ・高さが30mを超える場合は4m〜30mが「保護範囲」
 ・日本大気電気学会によると、尾根よりは谷が良いらしい。
 ・最近は「雷しゃがみ」姿勢というのがあるらしい。頭を低くしてしゃがみ、つま先立ちで両足のかかとを接触させる。手で両耳をふさぐ。そういえばテレビ番組で、地表を流れる電流を体に流さないためには地面との接触面積を少なくし、かつ両かかとを接触させておくと体に電流が流れるリスクを下げられると聞いた覚えがある。
 ・林の中は必ずしも安全ではない。が、どうすれば良いのかわからなかった。林から開けた場所にあえて少し出て、林から4m離れたところでしゃがんでやり過ごすのが良いということか。また尾根筋から谷間に降りた方が良いということか。
 ・林道ののり面に近寄るのはやはり良くないらしい。壁から4m以上離れる。

ということで、現状ではこんな対策が比較的安全なようである。
しかしながら、激しい雷雨が予想されるのに山に行くという甘い姿勢を改めるというのが最大の防御であろうか。


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